スウェーデンおつかい旅 2017(夏)@第15話:ストックホルムで思いがけない夕食を

2017年6月から7月にかけて、北欧スウェーデンとフィンランドへおつかいへ行くことにしました。その様子を準備段階からまとめていきます。

Först måste jag säga tack till de tre stockholmare som åt middag tillsammans med mig. Tack vare er dagen har blivit helt annorlunda än jag anade.(まずはじめに今日一緒に夕飯を食べてくれた3人のストックホルム人たちにお礼を言わなければなりません。あなたたちのおかげで今日という日が自分の想像していたものとはまったく別のものになりました。)

いよいよ月曜日、夏至祭モードから目を覚ましたストックホルムです。店がオープンする午前10時からほとんどの店がクローズする18時まで絶え間なくホテルと店の行き来をする覚悟。重い荷物を運んだり、階段を上り下りしたり、坂道を上ったり、体力との勝負になります。ストックホルムは結構高低差があったり、歩きづらい石畳の道があったり、歩くだけでも体力使うんです。

一日のなかで訪れた「Odenplan(オーデンプラーン)」の写真ですが、見事な青空が広がっています。これでも朝起きてホテルの部屋のカーテンを開けたら歩道には雨の雫による波紋が広がっていたんですけどね。やはり6月の北欧は猫の目のように天気が変わるようです。

ちなみにこの駅はリノベーションされたばかり。新しい路線も7月に開通するようです。ちょうど自分がスウェーデンから発つころですので、残念ながらその記念すべき様子を見ることは叶いませんが。

最近、街を歩いていて日本語の店名をみつけたらとりあえず写真に撮るようにしているのですが、今日見つけたのは”itamae”という店。市内でほかに”王様寿司”とか”将軍”という店を見つけていたのですが、”板前”という名前は控えめでいいなと思いました。

自分が日本食の店を出すならなんていう名前がいいのかな、なんて考えながら歩いていた時間もありました。前述の王様やら将軍のように、偉そうな名前部門で一番上を目指すなら何になるだろうとか。”宇宙皇帝寿司”かな、とか。もうすこしだけトーンダウンさせて”神様寿司”がいいかな。

ちなみに店長のおじさんが経営している鉄板焼きのお店”弁慶”がオランダのデン・ハーグにありますので、もしお近くにお越しの際にはお立ち寄りください。こういうこと書いておくと、大なり小なり意外に何かの奇跡が起きたりしなくもないんんですよね。

板前のハナシはいいとして、オーデンプラーンの近くにはストックホルム市立図書館があります。この場所はストックホルムのお気に入りポイントのひとつです。グンナル・アスプルンドという建築家によるもので、1928年の竣工ですかね。

内部はこちら。外からもわかる円形の建物は、内部もそのまま円形がわかる状態になっています。写真映えするので、結構この内部の画像にはお世話になっていますから、見覚えのある方も多いでしょう。

ただ意外なことに、ここが改修すべきか修繕にとどめるべきかの議論が持ち上がっているようです。スウェーデン語での案内を読んだ限りでは、2018年のうつに方針を決定するそうですが、改修となってしまう場合にはどれほどの規模で現状からの変化がもたらされてしまうのでしょうか。個人的には修繕にとどめてほしい。

まあ、そんなこんなでホテルの店の行き来をしていたんです。で、店のレジに大量の商品を抱えていくとやっぱり目立つようで、店のヒトに「こんなにどうすんの?」なんて聞かれる機会も多いわけで。

で、ガムラスタンのとある店でも同じようにたくさんの品物を抱えてレジに向かったわけですが、レジのおばさんが「Can you speak english?」という質問をしてくれました。「Ja, det kan jag.」というところから、たまたまその場に居合わせた店の常連である日本びいきの若者も加わり、しばらく会話が続きました。

スウェーデンがテーマの店をやっているというところにとても興味を持ってくれて、ハナシの流れで「この後、夕飯を一緒に食べにいかない?」ということになりました。店が閉まった後にまた待ち合わせようということで、一旦その場はお開きとなりましたが、そんな出会いもあるんですね。アルコールに強い方であれば、バーでたまたま知り合った現地のヒトと仲良くなったなんてケースもあるでしょうけれども、酒の力を借りずに出会いを作るのってなかなか難しいので、この出会いはありがたい機会です。

英語ではなくスウェーデン語で会話をするからこそ広がるコミュニケーションが起こりうるのがマイノリティ言語のいいところ。またひとつスウェーデン語をやっていてよかったと思えるシーンがやってきました。

待ち合わせの時間までのあいだは所用を済ませたり、昨日行きそびれたヴェーテカッテンに行ったりしました。ヴェーテカッテン本店を外から覗いたところ、なんだか混んでいるのでそのまま素通り。本店から歩いて5分ほどのところにある別のヴェーテカッテンに行きました。本店の持つ雰囲気はもちろん味わえませんが、こっちの方が空いていて自分には心地いいです。

本店にはまたの機会に店長とマディッケンと来たときでいいや、ということで。今回はとりあえず「ヴェーテカッテンに来た」という事実がつくれただけでOKということにしたいと思います。人生、やりたいことはちょっと残しておくくらいがいいんです。

18:30、待ち合わせ場所のHötorget(ヒュートリエット)。コンサートホールの前にある銅像近くで待ち合わせです。空の向こうははれているものの、雨がまた降りかけましたが、なんとか持ちこたえてくれました。

近くにある”K25(意味はよくわかりません)”という、アジア系レストランが中心となってまとまったフードコートのような場所に移動して夕飯をそれぞれチョイス。自分はせっかくなのでストックホルムの寿司を食べてみることにしました。

その名も”ハットリ寿司デビル”。おやおや、穏やかじゃないね。なぜ”ハットリ寿司”で止めておかなかったのかニンニン。

どうせ北欧の寿司なんて…とネタにするつもりで食べてみたのに。予想を裏切るクオリティの高さに驚き。特にわかりやすいサーモンの寿司ですが、日本のそれよりもかなり脂がのっていて、まるで肉を乗せて食べているような感覚。「このうまさ、デビル級!」って言えば良いのかな、店の名前的に。

ただ、この寿司がでてくるまでに30分くらい掛かってしまって、ほかの御三方にちょっと気を遣わせてしまったみたいで済みません。注文時にも「20分から30分掛かる」という風に告げられていたのですが、それを圧してでもこのチャンスに寿司を食べてみたかったのだ。

本日の夕食を共にしてくださったストックホルム在住の御三方。雰囲気でわかると思いますが、一番左の方は通りすがりのヒトです。

ヴェーテカッテンがあまりにも人気っぽくて混んでいるから、彼らにオススメのカフェを聞いておきました。明日以降…とはいえ、この一連のストックホルム滞在は明日と明後日しかないので時間があるかどうかの問題はありますが、そのカフェを覗きにいきたいと思います。

3人と別れたのが午後9時頃。夏の北欧の日時計は大雑把すぎて、時間の感覚が本当につかめません。

「Det kostar att ligga på toppen(トップでいつづけるのは大変)」とか、「Nu har du satt din sista potatis(「これが最後だからな!」の意)」とか、初めて耳にしたスウェーデン慣用句も面白かった。

こういった出会いをモチベーションに、日本に帰ってもスウェーデン語の鍛錬を続けられるといいなと思いました。まずは日本に帰ったら彼らにハガキでも出すことを目標にしたいと思います。

ちなみにこの後、2日間をストックホルム、その後マルメで1日、そしてヨーテボリに数日、最後にストックホルムに1日戻ってきてから日本へ帰る予定です。帰ったらすぐに旅の内容をお話しするカフェに参加するので、ちゃんと帰らないと。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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