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スウェーデンおつかい旅 2017(夏)@第02話:おとずれる街を選ぶ

2017.4.16

2017年6月から7月にかけて、北欧スウェーデンとフィンランドへおつかいへ行くことにしました。その様子を準備段階からまとめていきます。

おつかいをするためにどこの街をおとずれるのかを決めます。「おつかい旅」を銘打っているわけですから、大きな街を目指すことは自然な流れです。

スウェーデンの首都であるストックホルム(Stockholm)は欠かせません。そしてスウェーデン第2の都市であるヨーテボリ(Göteborg)も。そして実はリッラ・カッテンのオープン前後にスウェーデン在住の方からメッセージを頂いていまして、その方とも「そのうちお会いできたらいいですね」なんてやり取りをさせていただいていました。その方が住んでいるのがスウェーデン第3の都市マルメ(Malmö)ということで、そこにも立ち寄ることにしました。

日本で例えるなら東京、大阪、名古屋といった具合にスウェーデンの都市を上から3つ列挙しただけなので順当といえば順当なのですが、スウェーデンでは上記3つの都市に訪れることにしました。

スウェーデンへの直行便はない

意外に思われる方もそもそも関心がない方もどちらもいらっしゃるでしょうが、日本からスウェーデンへの直行便は現在運行されていません。むかしはストックホルムへの直行便が存在していたようですが、自分が大学生だったときにはすでに運行していませんでした。したがって、どこかの都市を経由してスウェーデンにはいることになります。

過去に一番失敗したのはアエロフロートというロシアの航空会社を利用してスウェーデンに行ったとき。初めて自分でチケットをオーダーして、初めてスウェーデンに行ったときのことです。

モスクワ空港を経由してストックホルムへ渡ったのですが、無知だった自分は当時”トランジット宿泊”というものの存在を認識していませんでした。チケットを手配する会社が指定する航空会社でフライトする条件付きで、とりあえず安い。そんな航空チケットを買ってしまったんですかね。乗り換える飛行機を待つ間にモスクワに一泊する必要があったのですが、自分は空港で時間を潰して待っていればいいものと解釈していました。そうして空港でじっとしているうちに空港からだんだんと人の気配がなくなり、やがて周りにはヒトがいなくなり…あれれ?というモスクワ空港での恐ろしい経験。

ロシア慣れしている方には申し訳ないですが、やっぱりロシアに対するイメージは…ねぇ。最終的にこうして日本にいるので無事なわけですが、知らない間にやらかしていたわけですね。本筋からハズレてしまうので今回は詳しくは書きませんが、いまでもあの陰鬱なモスクワ空港の光景を覚えています。夜が近づいていたということもあり、見るものすべてにダークさを感じたあの光景。

航空会社はヨーロッパの都市を拠点とするよりも赤道近くの都市を拠点としている会社の方が運賃が安い傾向にあります。つまりマレーシア経由だったり、ドバイ経由だったり、北欧に行くはずなのに赤道近くまで南下してからまた北上するというムダな時間が発生するのですが、自分が10時間余計に機内の時間を我慢すれば数万円もらえるという風に考えると、その誘惑に勝てずに長距離移動を選択してしまうのです。空港での乗り換え時間を含めると、最終目的地である北欧の空港に到着するまで20時間以上かかることも。

しかしもうそんな時間の掛かる南回りルートは懲りました。お金に恵まれた生活をしているわけではありませんが、今回の旅では精神衛生面や体力面、そして時間コストを尊重して数万円ほど余計に払うことになってもダイレクトにヨーロッパ、つまりは北欧に向かうことにしました。

コペンハーゲンかヘルシンキか

北欧への直行便がある都市はデンマークの首都であるコペンハーゲン、そしてフィンランドの首都であるヘルシンキです。どちらからスウェーデンに渡るべきか考えました。

初めてスウェーデンを訪れた大学の研修旅行の際、コペンハーゲンからオーレスンド海峡を渡ってスウェーデンに入りました。その記憶が強いために、なんとなく慣れている気がしているコペンハーゲンからスウェーデンへ入るルートを選択していたのですが、昨今の移民・難民問題に端を発したデンマーク・スウェーデン間の国境警備強化のハナシがちらほらと耳に入ってくることも。そこで今回は初めてヘルシンキ経由のルートを選択してみようということにしました。もちろん、フィンランド・スウェーデン間の国境警備も同じくらい厳しい可能性もありますけれども。

ほかにも理由があります。それは言葉の問題。英語でのコミュニケーションが中学2年生レベルの自分にとって頼れるのは、どちらかというとスウェーデン語の方。ご存知の方も多いと思いますが、北欧語のスウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語の3つは親戚のような言語であり、お互いの言語で意思の疎通ができなくもない…というのが大学の授業で教わる知識。

実際に自分からデンマーク人にスウェーデン語で話しかけてみると、たしかに通じているようです。しかし、問題が。あちらから返ってくる言葉はデンマーク語になるのでさっぱりわかりません。これは数人のスウェーデン人に尋ねてみただけなので絶対ではありませんが、『スウェーデン語 to デンマーク人』はそこそこOKでも、『デンマーク語 to スウェーデン人』はうまくいかないことが多いようです。つまり、東京のヒトが青森のヒトと会話するようなイメージです。

英語で話しかければ英語で返ってくるので、デンマークでは結局コミュニケーションを英語で…ということになってしまうんですね。ちなみにノルウェー語とスウェーデン語は結構近くて、自分のイメージでは東京のヒトと大阪のヒトが会話するようなイメージです。「ありがとう=おおきに」のように、いくつか意味の異なる単語を知っておけばなんとかなる感じ。

上記の内容はあくまで自分自身が体験したり見聞きした内容からの印象なので、ヒトそれぞれで思うところはあるでしょうが参考までに。そんなわけで、デンマーク・スウェーデン間の『国境警備強化の件』と『言語の問題』を考慮してヘルシンキに軍配が上がりました。

スウェーデン語学習者に嬉しい特典

同じ北欧圏内とは言え、先に挙げた北欧語3つと言語体系がまったく異なるフィンランド語。自分はフィンランド語はまったくわかりません。つまりはフィンランドでもコミュニケーションは英語じゃなくちゃいけないのか…というとそういうわけではないのです。

意外に思われる方もそもそも関心がない方もどちらもいらっしゃるでしょうが、フィンランドには公用語が2つあります。それはフィンランド語とスウェーデン語です。フィンランド人は学校でスウェーデン語も勉強するらしいのです。生活であまりスウェーデン語を使う必要のないフィンランド人は学校で習っても結構忘れてしまうっぽいですが、街中の交通標識や公的な場所の案内でもスウェーデン語の案内が併記されていたりと、スウェーデン語が第二言語の自分にとっての心の拠り所がいたるところに溢れているのです。

ストックホルムに留学していた頃に一度だけヘルシンキを訪れたことがありますが、そのときもスウェーデン語で生活を送ることができました。スウェーデン語を勉強しているとフィンランドも楽しめてしまうという嬉しい特典があったから自分はスウェーデン語を専攻することにしたのです。ちょっとお得ですよね。

かもめ食堂の撮影で訪れた片桐はいりさんによるフィンランドでの体験を記したエッセイ、「わたしのマトカ」のなかではフィンランドの看板にはフィンランド語とスウェーデン語は書かれているけれども英語が併記されているものが少ないとの描写もありました。ますますスウェーデン語学習者にはお得な国ではありませんか。

ちょっと心配なのは、入国審査の際。スウェーデン語でフィンランドの入国審査を受ける日本人ってどうなんでしょう。別室に連行されるんでしょうか。入国審査の時は英語にした方がスムーズなのかな…

ビョルネン・ソベル