スウェーデン語絵本の100冊読書メモ@030冊目:ABC

多くのスウェーデン語絵本を扱うリッラ・カッテンが、自分たちで実際に読んだスウェーデン語絵本を紹介します。目標はとりあえず100冊です。お店では扱わない作品、または絶版の作品もあるために入手が難しい絵本も含みますがご容赦ください。

1951年発表

ABCABCの本

文:Britt G. Hallqvist(ブリット・ゲー・ハルクヴィスト)
絵:Stig Lindeberg(スティーグ・リンドベリ)

スウェーデンの詩人・翻訳家であったブリット・ハルクヴィストの詩に、日本でも著名な陶器デザイナーのスティーグ・リンドベリがイラストを手掛けたABC本。

ここでいうABC本とは、ページが進むごとにABCのアルファベットから始まる詩が書かれている絵本です。たとえば1ページ目は「APAN kan med sina fötter…」、2ページ目は「BAKELSE med sockeardricka…」、そして最後はスウェーデン語アルファベットの最後の文字である「Ö」から始まる詩が。「ÖVERSTEN är van vid…」で、終わります。

ご多分に漏れずスウェーデン語の詩を日本語に翻訳することはむずかしいので、この絵本に綴られている文章まるごと理解することは困難です。しかし、詩集絵本に添えられたイラストは概して素晴らしい。

素直にかわいらしいと評することができるイラストから、ときには狂気を感じさせるようなイラストまで、スティーグ・リンドベリによる幅広い趣向のイラストが一冊にまとまっています。陶器という制約のなかでのデザインから解き放たれた、スティーグ・リンドベリによる自由な空想の世界が広がっているよう。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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