スウェーデン語絵本はオンラインショップでも販売

ビョルネン日報@18年08月03日(金)はれ

2018.8.4

18年08月03日(金)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

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2018年7月のガイダンス開催日
  • 08月04日(土)16時~17時
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  • NEW UPI アンプラージュインターナショナル 鎌倉店さんにて
    【鎌倉店イベント 8月24日】北欧野外文化倶楽部

    UPI 鎌倉店さんにて、リッラ・カッテン店長を講師として無料のスウェーデン語レッスンを開催することになりました。スウェーデンのトレイルについて書かれた本を教材にしてスウェーデン語を学びます。
    ※ お申込み方法はリンク先のページからご確認ください

今日のリッラ・カッテン

ストックホルムにある日本人に人気のカフェ「Vete-katten(ヴェーテカッテン)」、その店名の由来が面白かったので紹介します。スウェーデン語の情報を調査してまとめるスタイルの日報はひさしぶり。

ちなみに写真はストックホルム中央駅にほど近い Vasagatan 22 にある、「Vete-Katten Continental」という分店の写真。天邪鬼な性格なので、有名すぎなのと、混みすぎなのとで、本店には行ったことがありません。世間からの高い評価を耳にしてしまったお店に行っても、「この店は評価が高い。だからいい店なハズ。」と自分に言い聞かせようとしてしまって落ち着かない。だから何も色のついていない店が好きなのです。でも本店の雰囲気を見てこなかったことを後悔しているので、次回ストックホルムを訪れた際には…

さて本題。発端は、フクヤさんにより投稿されたツイート。

なるほど「vete katten」が成句だったとは知らなんだ。フクヤさんのツイートにも書かれているとおり、「vete = 小麦」であり、「katten = ネコ(定型)」という単語を組み合わせただけかと思っていたので、そんな言葉遊びを含んでいたとは。

早速、そのツイートを目にしたスマホを操作し『vete katten』というキーワードで検索してみると、たしかに「det vete katten」という成句がありました。

det vete katten

(idiomatiskt) ingen aning
Synonymer: det vete fåglarna, det vete fan
Etymologi: Möjligen en nertonad variant av det vete fan då katten var en symbol för djävulen i folktron.

参考ページ:det vete katten – Wiktionary

「det vete katten」を直訳すると「ネコは知っている」です。

2語目の “vete” は「vet = 知っている」の古語的な言い回しだと思われます。つまり店名の「Vete-katten」は、古い綴りの「vete(知っている)」と「vete(小麦)」の綴りが一緒であるが故に成立した言葉遊びなわけです。Vete-kattenのホームページには1928年創業と書いてあるので、その頃の言葉が使われていたであろうことを考えるとしっくりきます。

「det vete katten」の意味は「ingen aning(インゲン・アーニング)」であると説明されているわけですが、「ingen aning」は英語だと「no idea」といった感じでしょうか。文脈によってニュアンスは変わってきますが、「さあね」とか、「知る由もない」とか、そういった意味合い。

たとえば「Tycker du att det regnar idag?(今日、雨降るかな?)」の返しに、「Ingen aning(さあどうかな)」といった感じ。「Vad ska vi äta på middag?(夕飯何食べる?)」と訊かれた場合に、スグにいいアイディアが思い浮かばないときも「Ingen aning(思い浮かばないな)」みたいに使えます。

unsplash-logoErica Leong

さらに検索結果を眺めていると、以下のような文章が掲載されたページにたどり着きました。

なぜ「det vete katten」という言い回しがあるの?

もう古いハナシです。「あたらしいベーカリー、洋菓子店の名前は何になるの?」と尋ねられた女店主は答えに窮してしまったので、「さあね」と答えました。こうして”Vete-katten”という名前が誕生したのです。しかし、なぜそうした言い回しがあるのでしょうか?

Varför säger man “det vete katten”?Historien är numera klassisk. Vad skulle den nya bageriet och konditoriet heta? Ägarinnan visste inte, så hon svarade “det vete katten” och så föddes namnet Vete-Katten. Men varför säger man egentligen så?

参考ページ:Varför säger man “det vete katten”?

それにしても、この逸話って「カンガルー」じゃん…ですよ。

いまではその俗説が覆されつつあるようですが、いつだったか英語の教科書で知ったエピソード。オーストラリアを探検していたキャプテン・クック一行が、カンガルーを目にしたときに、原住民のアボリジニに「あれは何だ?」と尋ねたところ「カンガルー(現地語で”わからない”)」と言われたので、飛び跳ねる動物はカンガルーの名前がついた…というもの。

冷静に考えてみれば、オーストラリアにあれだけピョンピョンしているカンガルーの存在を、原住民であるアボリジニが「わからない」ワケがないですね。どれだけ視野が狭いのだ、というハナシになる。

つまり『Det vete katten』とは「ネコなら知ってるかもね」という意味です。しかしなぜ他の動物ではなく、ネコだったのでしょうか。おそらく、ネコが悪魔の象徴であることによるものです。もちろん今日では人々が悪魔の名前(den hornförseddes namn?)を口にすることを昔ほど気にしなくなりましたから、おそらくほとんどの方にとって、「det vete fan」が使われたり(あるいは使ったり)する場面が多いのではないでしょうか。

“Det vete katten” betyder alltså “det må katten kanske veta”. Men varför just katten och inte något annat djur? Jo, här är katten troligen en omskrivning för djävulen. I dag är förstås folk inte lika försiktiga med att nämna den hornförseddes namn. Tvärtom har nog de flesta hört (eller sagt) “det vete fan”.

参考ページ:Varför säger man “det vete katten”?

「fan(ファーン)」は悪魔を指す言葉だそうで、スウェーデンの映画とかでもよく耳にします(聞き取れないけど字幕で出てくる)。本来悪魔を意味する単語は「djävul(イェーヴュル)」よりも出没頻度高め。

「悪魔は何でも知っている」ということだったのかな?でも悪魔の名前を口にすることは憚られるので、ネコの名前で代用したということなのかもしれません。それにしても、ネコが悪魔扱いされていたニャンて!

昨日、リカードと昼のソバを食べている時に「”Det vete katten”って、今でも使う?」と尋ねたら、苦笑いしながら「使う」という旨の答えが返ってきました(あの笑みは何だったんだろう)。

もしスウェーデン人と会話する機会があれば、機を見計らって「Det vete katten」を使ってみてください。たぶん、外国人が使ったらちょっと面白く聞こえるフレーズの一つだと思うので、ウケると思います。保証なし。

登録したスウェーデン語絵本情報:
Nya hyss av Emil i Lönneberga av Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)

ルンネベリアのエーミル、彼はスモーランド地方にあるルンネベリア地区のカットヒュルトに住んでいます。彼のおはなしを聞いたことがありますか?そうですか、ないのですね!でも、ルンネベリアにはこのカットヒュルトのとんでもないいたずら小僧のことを知らない人間は誰一人いないと保証しますよ。エーミルはひっきりなしにいたずらばかりしているのです。イタズラをする度に、彼はよく木工小屋のなかで自分のしでかしたことの罪について考えを巡らせます。そしてそんなときはいつも、考えながら小さくておもしろい木の人形を彫るのです。大して深く考えているわけではないので、さっさと彫れてしまいます。この物語が始まるころには97体の木彫り人形が木工小屋の棚に並んでいましたが、物語が終わるころには125体まで増えています。物語が進むなかで、エーミルがいくつのイタズラを重ねるか、あなたは計算ができますか?エーミルのすべてのイタズラをお話するわけではありませんが、まずは彼がどのようにお父さんのアタマにブラッドプディングをひっくり返してしまうか、という物語から読み始めてください。

ビョルネン・ソベル