ビョルネン日報@18年01月30日(火)はれ

18年01月30日(火)はれ。今日一日、お店であったあんなことやこんなことだったり、思ったことなどを綴ります。

今日のリッラ・カッテン

2018年、お店としては現在2年目ですが、今年は新たな試みに挑戦するつもりです。そんなわけで、ある一人のマタタビさんと一緒にそのプロジェクトを進めるべく、今日はお店で打ち合わせをしていました。そしてシナモンロールとセムラの写真を撮る様子を撮らせていただきました。

具体的にプロジェクトの概要を書いてしまって退路を断つことも考えましたが、やっぱり書かない。…と思ったけれども、このプロジェクトが進行していく様子を見てもらうことでお店を応援してくださっているマタタビさんたちへの成長記録の開示という意味で恩返しになるのかな。

ということで、まさにこれを書きながらアチラコチラに心の迷いがあるのですが、いまの思い付きは「パスワード認証制でのプロジェクト進行状況の開示」ということ。それとも自由に閲覧できる状態にしてしまった方が…

ちょっとしばらく考えてみます。

あと、セムラについての情報をまとめたページをつくりました。すでに日本語でセムラについて紹介しているページが山ほどあると思うので、先駆者たちと同じ内容をなぞって書く必要もないだろうと。とはいえセンパイたちが何を書いているのかを深くリサーチしたわけではないのですが、そういった予備知識なくスウェーデン語のページから自分が興味を持てた部分を日本語にしてまとめました。

ちょっとトゲのあることを書くと「このセムラ、見た目だけ」というものも世の中に出回っています。オリジナルを理解した上でスタイルを崩すのは全然アリだと思うのですが、世間がセムラの味を知らないことをいいことに「これがセムラです」と提供するのはいかがなものかと。

いまのチーズケーキ

現在お店で提供しているFCSは、「赤ワインとイチジクのチーズケーキ」です。

…と、紹介してみるものの、自分も店長もアルコールがダメ。じゃあ味見もしていないのかというと、そういうわけではありません。熱を加えることによってワインのアルコールは飛んでいますので、アルコールが苦手な方でも楽しむことができる味に仕上がっています。

で、肝心の味はというと、とてもバランスがいい。ただ、バランスがよすぎて特筆すべきところが見つからないというオチです。「アルコール、大丈夫かな」という別のところに意識を奪われつつの味見だったので、きちんと味わえていなかったのかもしれません。これは完全に人選ミスですね。既に召し上がってくださったお客さんからは「赤ワインの風味がしっかり利いている」との評もありましたので、そういうことだそうです。

ポンコツな味見係しかいない洋菓子店もいかがなものかと思いますが、たまにはそんなんでもいいでしょう。”赤ワイン”という言葉だけで心が酔えるお酒好きの方、ぜひ感想を教えてください(ヒト任せ)。

本日の駄文:今日もまかないシナモンロール

1月28日(日)の”がっちりマンデー”という番組に出演していた糸井重里氏。徳川埋蔵金を探すことを生業とし、片手間にコピーライターとして活躍していた彼ですが(ちゃんとわかっています)、こんな主旨の発言がありました。

「いいキャッチコピーを考えない方がいい、ありのままを伝えることを考えるべき。」

自分の考えと合致していたことで、自分が向かっている方向の正当性を後押ししてもらえた気がしました。

たとえば、映画でいえば「大ヒット公開中」とか「衝撃の結末」とか、いつまでそんなキャッチコピー”もどき”を世に発信するつもりでしょう。自身が発信する見え透いたキャッチコピーに世の中が辟易していること気が付けていないほどにアンテナが鈍ってしまったメディアがつくるコンテンツが面白いはずないのです。

映画が大ヒットしているかどうか、結末が衝撃かどうか、それは世間が判断すればいいことであり、自分からハードルを上げるようなキャチコピーを打ち出して期待を煽る商法はすでに時代遅れの感が否めません。誇大なキャチコピーに対して期待以下の体験しかできなかったことの繰り返しがメディア離れを加速させていると思うのです。

テレビ番組も「CMのあと、何かが起こる!?」のような表現が、視聴者にどのように伝わっているのかを意識できているのでしょうか。そんな消費者の無意識の反感を買うようなキャッチコピーなんて、いっそのことない方がマシなのでは。

自分も些細ながら日報というリッラ・カッテンの情報発信のための”メディア”を担当していますが、誇大なキャッチコピーは書かないように心掛けています。理想は「自分がどう思ったのか」をできるだけそのまま書くこと。おいしいと思えないものを「おいしい」と表現したりは絶対にしません。だから「赤ワインとイチジクのチーズケーキ」のクダリだって、あんなグダグダになっちゃうんですから。

誤解のないようにもう一度書きますが、「赤ワインとイチジクのチーズケーキ」はバランスが良すぎなんです。「出木杉くんはどんなヤツか」と尋ねられたら、「優等生です」以上の回答はできないのです。

ちなみにラジオ番組は”ありのまま”で放送されることが多いから楽しいです(CMは誇大なものが多いケド)。

ビョルネン・ソベル

リッラ・カッテンの絵本、雑貨、あと雑用を担当。本を読むことよりも、大量に並んだ背表紙や古い本の雰囲気が好き。つまり、あんまり本は読みません。葛飾出身の日本人。インスタグラムは「@lillakattenpaper

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